ハニーシガレット 【完】





「薫くん⋯」

「なに」

「あたし、薫くんに可愛いって思われたくて髪型変えてみたの」

「うん」

「薫くんの為にやったの」

「うん」

「⋯可愛い?」



コテンと首を傾げる可愛らしい仕草なんて出来ない。

ちょっとだけ赤くなった目で、薫くんの綺麗な瞳を見つめることしか出来ない。








「⋯⋯可愛いよ」





無表情から表情なんて変わらない。

だけどあたしにはちゃんと、その言葉が届いたよ。



だってあたしは薫くんのちょっと冷たいところも、素っ気ないところも、ツンデレなところも素直じゃないところも、ぜんぶ、ぜんぶ、大好きだから。