「なんで!?パーティーだよ!聖なる夜!」
「どっか食いに行く?それとも俺作る?」
「うーん、薫くんが作ったお料理食べたい」
去年は外食してイルミネーション見たりしたから、今年はお家でゆっくり過ごすのもいい。
別れた時、もう二度とこんな風に話を出来るなんて思っていなかったから。
クリスマスイブを一緒に過ごせるなんて想像さえしていなかったから。
いま、すごく幸せだ。
「ねぇ、薫くん」
「なに?」
「これからもいっぱい思い出作ろうね」
まだ付き合って二年しか経ってないけど、その年数がどんどん積み重なっていって欲しい。
大好きだから、いっぱい笑って、泣いて、色々なたくさんの時間を一緒に過ごしていきたい。同じ分だけの幸せを感じたい。
惚れたもん負け だから好きの大きさが違っていても仕方ないって思っていた。
「薫くんはあたしが薫くんを好きって気持ちと同じくらいあたしのこと好き?」
「なにその馬鹿な質問」
「そうだったらいいなって」
本当はもうわかっているけれど、言葉を欲しがってしまうのはあたしの悪いくせだけど、薫くんが言葉を大切にしていて、口下手だってこともわかっているけれど、この言葉くらいは欲しがってもいいんじゃないの?って。
寄り添いながら薫くんを見上げるあたしの目は、きっとキラキラしていたと思う。
大好きな人から、嬉しい言葉をもらうんだから。



