「何かあれば相談に乗るし、とびきり可愛くヘアアレンジしてあげる。だから柑奈、もう薫先輩と離れちゃダメだよ」
「趣里…」
「昨日柑奈が振り絞った勇気を無駄にしちゃダメだからね」
そう言って包み込むようにハグをしてきた趣里は「よかった…」と声を震わせていた。
「趣里、ありがとう」
「…」
「趣里と陸斗のとおかげだよ、だからあたし、勇気を出せたんだよ」
「なら、よかった」
「趣里が言葉をくれたから、あたし頑張れた。ちょっとね、偉人の名言にも興味が出てきちゃって…今度本貸してね」
あたしがそう告げると、趣里は身体を離して無邪気な笑顔を見せた。
「柑奈の趣味じゃないと思ってたけど、そんな事言ってくれるなんて嬉しい。もちろん、貸すよ、第三巻まで出てるから順番に貸してあげる」
「そんな出てるの!?」
「四巻は再来月発売予定だから」
「それまでには三巻まで読破してね」
「陸斗にも貸してあげようか?為になるわよ」と陸斗をも巻き込んだ趣里に「お、おう…!」と断ることの出来なかった陸斗。
活字が苦手なあたしが三巻も読むことが出来るかなあ、でも趣里の言葉に、名言に助けられたことは確かだし、読んでいくうちにどっぷりハマってしまうかもと楽しみになった。
暫くは三人で偉人名言集を読みふけることになりそうだ。



