「そんな事言われても困るんだけど」
と言いながらも「そうね…」と考えてくれる趣里はどこまでも優しくて。
友達でもありお姉ちゃんみたいな存在でもあるなと思った。
「あ、」
「いいのあった?」
そんな事を思っていると「今の柑奈にピッタリな名言思い出した」と趣里が楽しそうに笑う。
趣里は偉人名言集なんて分厚い本を愛読するくらい名言が好きで。普段はクールビューティーって言葉が似合う女の子なのに好きなものの事になると楽しそうに微笑む趣里がなんだかとても可愛く感じた。
「どんなものなの?」
「うん、あのね─────」
首を傾げて待つあたしに趣里はゆっくりと言葉を紡いだ。
「恋をして、そして賢くあることは不可能だ」



