恥ずかしいこと、と前置きされてどんな顔をしていればいいのかわからないけど陸斗が照れた様に小さくハニカミながら優しい表情をしているからあまり固くならずに聞いた方がいいのかも。
少しだけ背筋を伸ばしてから「どうぞ」陸斗に頷いた。
「今日、来てくれてありがとな」
「こちらこそ、誘ってくれてありがとう。チケットも」
「いっぱい笑ってはしゃいで、更に柑奈のこと好きになったし、可愛いとも思った」
「…ありがとう?」
「ぎこちねぇな」
未だに陸斗からの甘い言葉には慣れず、ギクシャクとお礼を言ったら笑われてしまった。
「これからもこんな風に柑奈と笑いたいって思った。これからは友達としてじゃなく」
「…、」
「明日、約束の一週間だから今日はどうしても二人きりになりたくて、俺といたら楽しいよってアピールしてみたんだけどどうだった?」
「どうだったって…、」
「楽しかった?」
「…それはもちろんだよ。楽しかった」
「ん、なら一安心」
普段の明るい笑顔とは違い落ち着いた笑顔を見せる陸斗。
「…もうすぐ頂上だな」
「そうだね」
「…」
あたし達を乗せたゴンドラはもう少しで頂上にたどり着く。
窓から下を見れば人もアトラクションもミニチュアみたいに小さくなっていた。
そして────。
「なあ、柑奈、」
ユラリとゴンドラが穏やかに揺れて、頂上へたどり着いた時。
小さな箱の中で陸斗の声とスマホの機械的な着信音が同時に音を立てた。



