ハニーシガレット 【完】






それからゴウンゴウンと曲がって、回ってを繰り返してたくさん叫んで、ジェットコースターはスタートした位置へと戻ってきた。



「あー楽しかった!」

「柑奈ギャーギャーうるさかったー」

「陸斗もいっぱい叫んでたよ」


風の影響で乱れた髪の毛を整えながらジェットコースターを降りる。


「次はコーヒーカップでも行く?」

「また絶叫系かよ」

「コーヒーカップって絶叫系なの?」

「俺めっっっちゃ苦手。三半規管激弱なんだよ」

「じゃあコーヒーカップ行こう」

「おい聞いてたか?」


うげって顔をした陸斗を置いてコーヒーカップのある方へと歩いていく。後ろの方から「おい!三つ編み!」と今日のあたしの髪型を叫ぶ陸斗は無視だ。






コーヒーカップの周りは子どもが多かったけれど数組大人もいて、全体的に比較的他のアトラクションより空いていた。

オレンジ色のカップを見つけてそれに乗り込む。



「マジでコーヒーカップとか乗るヤツの気が知れねぇよ」



柵の向こう側で呟く陸斗は結局、コーヒーカップには乗らなかった。


「マジで乗ったらゲロ吐く」と繰り返す陸斗に吐かれては困ると一人で乗ることにしたのだ。



柵の向こうでこっちに手を振っている陸斗に手を振り返す。

……それが何だか新鮮で、胸がぎゅっとしてハンドルを強く握った。



「では、コーヒーカップスタートしま~す!」



係員の明るい案内に、カップが回り始めた。