例えばの話だけど、
心が求める答えと実際に幸せだと思える答えが同じだとは限らないし、同じ場合もある。
あたしが出した答えが他の人から見たら間違った選択に見えてしまうこともある。
迷って悩んで出した答えが、最善なのかなんてわからない。
「あたしが薫くんを選んで、やり直したいって伝えてもそれが叶わない場合もあるでしょ?むしろその可能性の方が高い」
「うん」
「というかダメだってわかってるから…でも、そうわかっていても、薫くんのこと好きだからあたしは薫くんを選ぶね」
まだ、約束の一週間は後半分あるけれど、一週間過ぎた時、あたしの心の中に薫くんがいたら、望む結果にならないとわかっていたとしても、また傷つくかもしれないとわかっていても、あたしは自分の気持ちが出した答えに従おうと思う。
「それは陸斗には絶対に甘えないってこと?薫先輩と上手くいかなかった時の保険にもしないって?」
「そんなカッコイイものじゃないし、最低なものでもないよ」
陸斗をキープとかそんな事一切考えていないし、それじゃあ向き合うって言った事が大嘘になってしまう。
「幸せとかまだよくわからないけど、間違ってても、最後は本当に好きな人と向き合いたい」
趣里の涼し気な綺麗な顔を見つめながらそう言えば、切れ長な目元が和らいだ。
「柑奈が選んだ答えなら間違いなんてないから大丈夫だよ」
「…、」
「幸せなんて言葉使ってプレッシャーになっちゃったかもしれないけど、心のままに答えを出すんだからね。そうじゃないと柑奈は絶対に幸せになんてなれないから」
「…うん」
「私ね、柑奈のこと大好きなの。もちろん友達としてね、だから応援してるんだよ、柑奈のこと」
「ありがとう、趣里」
「柑奈は私の初めての友達だから」
綺麗な顔を綻ばせて微笑んだ趣里はまるで女神さまの様だった。



