お父さんと二人で作ったハンバーグはとても美味しかった。
「今日はデミグラスソースだけど今度はおろしポン酢で作ってみようか」
「さっぱりしていいね」
「チーズINハンバーグも作ろう」
「楽しみ!お父さんのハンバーグ美味しいからなあ」
食卓を囲みながらするのは他愛もない話。
やっぱりお父さんは何も聞いてこない。
「お父さん、」
「うん?」
「⋯⋯、」
わかっている。
何も聞かないお父さんだけど本当は気になっているよね、心配だよね、だから今日は早く仕事を終わらせてあたしの好きなハンバーグを作ってくれたんでしょ?
だけどさすがにお父さんに薫くんと別れちゃってどうしたらいいのかわからないんだと相談はしにくい。
薫くんのことを気に入っていたお父さんにだからこそ、言えない。
言ったらお父さんは凄く心配する。薫くんの印象が変わるかも。そう考えたら怖くて言い出せなかった。
「⋯お父さん」
「うん、どうした?」
「あのね、あたし今、心配かけちゃってるかもしれないけど大丈夫だから」
「⋯」
「答えが出たらまたちゃんと報告するね」
あたしの言葉に箸を置いてしっかりと耳を傾けてくれたお父さんは「わかったよ」と優しく笑ってくれた。



