普段通り、の中で少しだけ普段とは違う事が起きたのは放課後のこと。
陸斗に一緒に帰ろうと誘われたのだ。
「もちろん趣里も一緒に」
いくら別れているとはいえ、薫くん以外の男の人と二人きりで帰るのは胸に引っ掛かるものを感じたあたしに気を使ってか趣里も誘ってくれた陸斗は帰り道に立ち寄ったコンビニで飲み物を奢ってくれた。
「ありがとう、陸斗」
「頂くわ、ありがとう。でもこれって完全な餌付け作戦だよね」
「あっ、おい趣里痛いところ突くなよ!」
趣里の言葉にあちゃーって顔をして苦笑いをする陸斗はどうやらあたしを餌付けしている様で。
「別に食いもん飲みもん与えとけばいいやとか思ってるんじゃねぇよ!?ただ、今俺が一瞬で柑奈に喜んで貰えてポイント稼げる方法がこれしか思いつかなかったんだよ⋯」
「⋯、」
「何だよその顔」
「っいや、なんでも⋯」
まさか陸斗がそんな事を言うなんて。
いくら告白されたとはいえ、何だか照れくさいのと申し訳ない気持ちの両方が入り交じって視線を逸らした。
「⋯俺だってこんな恥ずかしいこといちいち言うタイプじゃねぇけど期間は一週間だし思ったことは全力で言葉にしていくから」
「⋯うん」
「それに対して柑奈がどんな感情抱こうが自由だけど、俺が柑奈のこと好きで全部本音だってことは忘れないでいてくれよ」
放課後の夕日に照らされた陸斗の顔は真剣で、ほんのりと赤みがかっていて、改めて陸斗の想いを受け止めた。
あの陸斗がこれだけ真剣にふざけないで言葉や行動にしてくれているのだから同じ分だけあたしも真剣に向き合わなくてはいけない。
奢ってもらった飲み物の入ったペットボトルを握りしめ、
「うん、忘れない」
「⋯そーして」
赤く染まった頬に約束をした。



