それから。
あたしは流されるように「答えは一週間後に欲しい」という陸斗に頷いた。
先に空き教室を出た陸斗が去ってから、趣里が小さく息を吐く。
「陸斗も強引なところあるよね」
「⋯」
「でも、陸斗の気持ちもわかる。今が最大のチャンスだって奪いたくなる気持ち」
「本当はどうしたらいいかわからないよ⋯」
陸斗の想いに答えられないと今ハッキリと言うべきなのか。
陸斗と向き合ってから答えを出すべきなのか。
薫くんと別れた今、陸斗から告げられた想いにどう向き合い答えを出すべきなのかわからない。
迷い戸惑うあたしに趣里が共感を表すように小さい頷き、「そうだよね」と声を零す。
「でも、私は一週間陸斗と向き合ってみるのは柑奈にとって一つの答えを出す良い機会だと思うよ」
そして柔らかく微笑みながらゆっくりと言葉を紡いでいった。
「今、柑奈は薫先輩と別れてる。だからこそ今までとは違う視点で陸斗と向き合ってみなよ」
「⋯違う視点で?」
「そう。別に薫先輩のこと好きなままでいい。でも一度薫先輩ではない男の人と向き合ってみて、それで陸斗の事をいいなと思ったならそのまま進めばいいし、それでも薫先輩のこと好きだなって思ったならそれが答えでしょ?」
「⋯っ」
「柑奈がとても薫先輩のこと好きなこと知ってるし別れたこと後悔してるのもわかってる。今すぐ薫先輩のところへ行きたいのもわかる。でも、今柑奈たちに必要なのは時間なんじゃないのかなって私は思うの」
「時間が必要⋯?」
「一度離れて、自分たちの想いを整理する時間」
「⋯っ」
「整理して、自分の想いを確かめて。そしてお互いの想いを確かめ合う。それまでの時間が二人には必要だと思わない?」
時間が必要だという趣里の言葉はすんなりと心に入っていった。
というのも、ぐちゃぐちゃな気持ちのまま薫くんと会って話をしても絶対にうまくいかないだろうともうわかっていたから。



