空き教室でシクシクと涙を零すあたしにハンカチを差し出してくれる趣里と困ったようにチラチラと視線をさ迷わせる陸斗。
「柑奈、薫先輩と何があったの?」
趣里の優しくもハッキリとした声が昨日の記憶を鮮明に思い出させる。
「⋯きのう、顔をくんと一緒にアパートに向かって、でもそこに初音さんがいてっ⋯合わないとか色々好き勝手言われてだからあたしムカついて初音さんのこと叩いてっ⋯、」
「薫くんが初音さんを追い返した後も全然怒りが収まらなくてっ、だからいっぱい酷いこと言っちゃったの、薫くんの事が信じられないって、苦しいだけだから別れたいって、」
「あたし馬鹿だっ、今更になって後悔してるっあんな事言わなきゃよかったって後悔して、でもやっぱり初音さんも薫くんもムカつくのっ⋯!あたしの気持ちを軽く思われてたことが凄く悲しいのっ⋯!」
整理もつかないまま吐き出すように喋るあたしに趣里も陸斗もきっと困っているだろう。
それでもこのどうにもならない気持ちをどうすればいいのかわからなくて、ただ吐き出すことしか出来なくて。
「もう、どうすればいいのっ⋯?」
薫くんのことが好き、嫌い。
別れたい、別れたくない。
矛盾した気持ちがグルグルと頭の中で回り続けていて気持ちが悪い。



