学校に着くともう趣里と陸斗は来ていたようで教室に入るなり二人に囲まれた。
「柑奈!昨日どうだっ⋯、た⋯」
しかし二人がきちんとあたしの顔を見るや否や陸斗の言葉が尻すぼみしていく。
二人とも察してくれたのだろう、その後はシンと三人の周りが静寂に包まれた。
「⋯柑奈」
暫くして声を発したのは趣里で、その優しくも苦しそうな声色にうるうると視界が歪んだ。
「柑奈、」
「ごめん、趣里、陸斗。仲直りしてこいって背中押してくれたのにあたし、薫くんと仲直り出来なかった」
「⋯」
「酷いこといっぱい言って、言われて、ムシャクシャして悲しくて⋯もう、こんなの嫌だって逃げちゃった」
「柑奈⋯」
「あたしから別れたいって言っちゃったっ⋯」
「っ」
遂に涙がポロリと瞳から溢れて、顔を隠すようにして机に突っ伏すとふわりと背中に感じる温かさ。
それはう、うっ、と肩を震わせるあたしの背中を慰めるように撫でてくれる趣里の華奢な手のひらで、ゆっくりと上下するその温もりに縋りたくなった。
「ごめん、趣里っ」
「いいよ、というかとりあえず場所移動する?」
突然教室内で泣き出したあたしはきっと目立っていて、クラスメイトがザワついているのもわかっていたからその言葉に小さく頷いて席を立った。



