その後は泣きながら家に帰った。

すれ違う人が不思議そうに振り返ったりしていたけれどそんな事気にする余裕なんてなかった。


家に帰って、後悔して泣いて。

お父さんが用意してくれた夕食も食べずにずっと部屋の中で泣いていた。



なんであんな事言ってしまったんだろうって、

なんでもっと薫くんの話を聞かなかったんだろうって、

もっと落ち着いていれば、もっと冷静になっていれば、もっと良い言葉を選んでいれば。


後悔して後悔して後悔して、だけど初音さんのことを思い出すとやっぱりどうしたってモヤモヤして黒くてドロドロした嫉妬の塊が顔を覗かせて。




別れれば苦しくなくなると思った。


もう、苦しみや痛みから解放されると思ってた。


だけど全然そんなことなくて、もっと苦しくなるだけだった。