「今日は4限で終わりだったから、先にこっち来てブラブラしてた」
「なんだぁ、改札とは違う方から来たからビックリしちゃったよ。何か見てたの?」
「本屋見て、後は適当にコーヒーショップで時間潰してた」
それだったらもっと急いで来ればよかったなと少し反省しながら、「あ、でもコーヒーショップにいたならカフェ行くのやめた方がいい?」と、今日行く約束をしていたカフェを諦めようとしたのだけれど⋯、
「いいよ。行こ」
薫くんはそう言ってくれた。
「え、でも⋯」
「結構時間潰したし、一杯しか飲んでないからそろそろまた飲みたい」
「あ、そうなの⋯?」
それが本心なのか、そうじゃないのかはわからない。
だけど、それが薫くんの優しさである事には変わりない。
「ありがとっ⋯、薫くん!」
嬉しくなって薫くんの腕に抱きつけば物凄い勢いで剥がされたけれど、それを何度も繰り返す内に先に折れたのは薫くんの方だった。



