「なに言ってんの?」
「だって昨日それで喧嘩になったのにまた今日初音さんが薫くんの部屋の前にいるんだよ!?初音さんにちゃんと言ってくれたの!?連絡先も、消した!?」
「一旦落ち着けよ」
「落ち着けないよっ⋯」
むしろどうして薫くんが落ち着いていられるのか不思議なくらい、今のあたしは感情的になってしまっている。
頭ではちゃんとわかっているのに、心だけが先走っちゃって溢れる感情を言葉としてそのまま、垂れ流してしまってる。
「あたし、薫くんのこと全然わかんないっ」
「わかんないって何が」
「ぜんぶっ!全部わかんないよ!」
今、何を思っているのかも、あたしのことどう思っているのかも、わからないから苦しいよ。
「薫くんはあたしの事、好き⋯?」
何度もしてきたその質問に薫くんがちゃんと答えてくれたのは片手で数えられる程度。
だから────、
「柑奈のことちゃんと好きだって」
その言葉はとても嬉しいはずなのに。
聞きたくて聞きたくて堪らなかったはずなのに。
「そんなの全然信じられないよ⋯」
胸が痛いのはなんで?



