ハニーシガレット 【完】










違うってわかってる。

ちゃんと、愛されているって思う瞬間もある。


でも状況にグラグラ揺さぶられるくらい、今のあたしには自信がない。

思ってもないことを口にしてしまうくらい、余裕がない。




「もしかしたら初音さんの方が好きなんじゃないの」

「⋯⋯は?」

「薫くんが友達だと思ってるならそれでいいけど、薫くんは彼女より友達の方が大切なんじゃないの?」




こんな事を言ってしまうあたしは馬鹿だ。

でも、止められない。




「お泊まりだって電話だって許して、さっきだってもっと強く初音さんに言ってくれればいいのにしなかったし」

「⋯」

「あたしより初音さんの方が大切なんじゃないのっ?」

「⋯」

「あたしが嫌な思いしてるって気付いててやってるんじゃないの!?」




もう、滅茶苦茶だ。

八つ当たりどころじゃない、こじつけだ。


でももう、この悲しみと虚しさと悔しさと苦しみをどうやって発散させればいいのかわからない。

怒りをどこにぶつければいいのかわからないんだ。