「言いたいことあるならハッキリ言えば?」
冷たく見下ろす琥珀色が怖い。
言いたいことを言ったら初音さんの言う通りになってしまいそうで嫌だ。
黙ったままのあたしに薫くんが小さく息を吐いた。
「合わないって何。別れたいの?」
ドクンッ───。
大きく心臓が跳ねて、気持ち悪ささえ覚える。
「何で⋯そんなこと言うの⋯?」
「何が?」
「別れるとか、何でそんな簡単に言うのっ⋯?」
もう嫌だって、苦しませないでよって。
これ以上薫くんといるのは無理だって思っても、別れるなんてあたしは口に出来ないのに。
それなのに薫くんはあたしがどうしたって言えない言葉を簡単に口に出せちゃうんだと思ったらなんだか情けなくなっちゃう。
あたしってその程度なんだって、怒りよりも悲しみが勝っている。



