ハニーシガレット 【完】







何度かキスをして、手首を掴んでいた薫くんの手があたしの手と重なる。

指と指を絡めてきゅっと握られると不覚にも胸がキュンと鳴ってしまった。

こんな状況なのに、あたしはどこまでも薫くんが好きみたいだ。


でも、キュンとするのと同じだけ心が痛い。



噛み付くみたいなキスは嫌。

言葉もなく一方的にされるのも嫌。



やめて、って拒んでいるのに無理やりするキスは悲しくて痛くて苦しいだけだ。





呼吸が苦しくなってハァッ、と口を開けて酸素を取り込めば、するりと侵入してきた熱い舌が自分の舌と触れ合ってゾワッとした。



なんでこんなキスするの?って、理由は一つしかない。




「そうやって、誤魔化さないでよっ⋯!!」




こうしとけば簡単に丸め込むことが出来るって思われているみたいでとても恥ずかしかった。