授業を終えた学生で賑わう駅前で、ソワソワと薫くんを待つ。
まぁ、薫くんはいつも約束の時間ピッタリか少し遅れてやってくる為いつもあたしが待っている事になるんだけどその時間も嫌いじゃない。
まだかな、まだかな、と駅の改札を出てくる人混みの中に薫くんを見つけるのはなかなかに楽しい。
そして今日も、薫くんがやって来るであろう改札口の方を見ながらその姿が見えるのを待っていると、「柑奈」と、改札の方ではない方向から薫くんの声が聞こえた。
「薫くんっ⋯?」
パッと振り返るとそこには白のTシャツに黒のパンツというシンプルの中でもシンプルな格好をした薫くんが立っていて、それなのに周りの誰よりも目立ってしまうから凄いと思うと同時にチラホラと向けられる女の子の視線にモヤモヤとしたものを感じる。
だけどやっぱり素敵⋯!と感じるのが一番で、上から下まで薫くんを堪能した後、「そういえば薫くん電車じゃなかったの?」と首を傾げた。



