「そうやってすぐ泣くところも面倒なんじゃないの?」
怒りと悲しみと悔しさで頬を濡らしたあたしに初音さんが鬱陶しそうに目を細める。
「泊まりのことだって電話だって私に言わないでよ。薫に言って。そうやって私を悪者にしないで」
「⋯っ」
「今薫と上手くいってないことを私のせいにしないでよ。柑奈ちゃんのそういう幼さが全ての原因なんじゃないの?」
本気で初音さんの脳内を見てみたいと思うほどの支離滅裂な言い様に、さすがに耐えられなくなった。
「⋯っさいってい!」
あたしだってダメなところいっぱいあって、気にしすぎたり怒りっぽかったり泣き虫だったり、薫くんにウザがられちゃうこともたくさんあるけど、今、こんなに苦しいのは怒っているのは、間違いなくあなたのせいでしょ!?
あなたが意地悪するからでしょ!?
耐えられなくなって振り上げた手のひら。
ダメだってわかっていても止められなかった。



