「電話のことは、私なりの親切心なんだけど」
「⋯は、」
「大体、昨日だって薫は朝方までレポート仕上げてたの。ねぇ柑奈ちゃん、大学生って高校生よりも忙しいんだよ?」
「そんなのわかって、」
「わかってないよ、柑奈ちゃんは」
ピシャリと遮られてしまい、思わず口を噤んでしまった。
「昨日だって薫寝不足だったんだよ?それなのに薫を責めたの?」
「なっ、」
「階段上がってきた時の顔みてわかったよ、今雰囲気良くないでしょ?二人」
そうしているのは、そうなる様に仕向けているのは初音さん自身なのにこの人は一体何を言っているの?
「大体、この前の電話もそうだし今も言ったけど私と薫は何もないから。信じられないの?」
「⋯っ!」
「もっと薫のこと考えてあげたら?彼女なら、さ」
「そんなこと⋯、初音さんに言われる筋合いないですっ⋯」
「友達として心配なの!薫が無理させられてるんじゃないかって、柑奈ちゃん見てるとそう思っちゃうよ」
「なっ、は、」
「子どもっぽいし、我儘だし、自分のことしか考えてない。多分、薫とあなたは合わないよ」
どの立場で、どんな気持ちでそんなことを言えるんだと目の前の初音さんに耳を疑った。
あなたにだけは言われたくない。
それが事実だとしても、ただの意地悪だとしても、絶対に初音さんにだけは言われたくなかった言葉を言われて精神が削られていく。
既にグラグラしている心にパリンと亀裂が入った。



