陸斗も、背中を押してくれた。
「明日泣きながら登校するなよ」
と悪戯に笑いながら。
「ありがとう、陸斗」
「⋯がんばれよ、」
グーにした拳を突き出した陸斗に「うん」と頷いて同じように握った拳を合わせる。
これこそ、闘いに行くみたい。なんて思いながら二人の優しさに絶対に仲直りをしようと決めた。
—───と、クルリと校舎側から校門の方へと向きを変える。
「なんか校門騒がしいわね」
趣里の言う通り、普段なら人が溜まることのない校門辺りが人でごった返している。
わーとかキャーとか、そんな声も聞こえた。
何かあったのだろうか?と、その人混みを注視していると、人の波の間から見えたのは薫くんだった。
「っ薫くん!?」
「え、マジだ」
あたしの声に続いて陸斗もビックリしているからあれは間違いなく薫くんのはず。
この高校の卒業生である薫くんのことは今の在校生も知っている人は多い。たくさんの生徒たちに囲まれている薫くんは掛けられる声を完全に無視している様に見える。
「お迎え来てくれたんじゃないの?」
ポケッと薫くんのいる方を見つめていたあたしに趣里が言う。
⋯お迎え、
早く来いと言わんばかりにこちらを睨んでいる様にも見えるし、やっぱりこれはあたしを迎えに来てくれたんだよね。



