「さっそく、薫くんに電話してくる!」
思い立ったが吉日。
思い立ったら即行動。
ウジウジまた、弱気になる前に薫くんに話がしたいという旨の電話をすることにした。
廊下に出るために立ち上がったあたしに「頑張ってね」と手を振ってくれた趣里に「ありがとう」と言って教室を出る。
あたしが教室を出てから。
「俺、マジでカッコよくね?」
「弱ってる時は略奪のチャンスなのに」
「⋯奪いたいけどさ、柑奈ってあの人のこと大好きじゃん」
「そうね」
「普段めっちゃ幸せそうじゃん」
「うん」
「だから俺が出る幕ないっつーか、」
「つまり好きにさせる自信も、幸せにする自信もないってこと?」
「ははっ、容赦ねーな。でもま、そういう事。だから今回は、全力で背中押した。まじ俺イケメンだわ」
「最初酷いこと言った時はシバいてやろうと思ったけれど」
「こーわ」
クシャリ、ワックスで適度に固められた髪の毛を掻き上げる。
「またアイツのこと泣かすようなことがあったら今度は全力で奪いにいくけどね」



