「でもさ、柑奈。浮気とかはまぁ冗談にして、マジで気をつけた方がいいぞ」
シュンとしていた陸斗が真面目な顔をしてあたしを見る。
「今の柑奈たちの状況ってその女にしてみれば最高の状況じゃん」
「⋯っ」
「早く話して、仲直りした方がいい」
「それは⋯わかってるけど、」
「さっき俺に怒ったってことはお前は薫先輩のこと信じてるし、このままでいいと思ってもねぇんだろ?」
「うん⋯このままでいいなんて思ってないよ」
「なら早く仲直りしろよ」
「⋯」
陸斗の言う通り、本当はお泊まりだって仕方ないし、薫くんが本当に初音さんを庇っているなんて思ってない。
スマホだって初音さんが勝手にやったことだし。
でも、それを許しちゃう薫くんは気に食わないし、庇う気がなくてもそう見えてしまってムカつく。
「だけど⋯、話をして薫くんに嫌われちゃうのが怖いの」
面倒だって振られてしまうかもしれないし、元々大きな差があった“好き”が更に大きな差になっていることを目の当たりにするのが恐ろしい。
好きだと即答してくれなかった薫くんに会うのが、怖い。



