抱きしめてくれる趣里から、温かさが伝わる。
「柑奈、一人で抱え込まなくていいんだよ」
と言ってくれる趣里に本当に救われた。
初音さんという恋敵がいて、薫くんともあんな風になってしまって、そんな事はないはずなのに世界に独りぼっちになってしまったような孤独感もあったから、趣里の存在は本当に大きいと実感した。
「薫先輩ってそんなわかりやすい浮気するタイプだったんだ」
そして、趣里に救われたと思ったら、話を聞いていた陸斗が聞き捨てならないことを言った。
「あの人って又かけるにしてもバレなそうにやりそうなのに」
「は、う、浮気じゃないよ⋯!?」
「でも女泊めてスマホ弄らせて、挙句の果てには庇ったんだろ?浮気に近いだろ、それ」
つらつらと、あたしの心を抉る言葉を発していく陸斗に八つ当たりだとわかっていてもフツフツと湧き上がっていく怒り。
「浮気じゃないってば!泊めてたのは大学のレポートの為で、他に男の人も居たしスマホだって女の人が勝手に出ただけ!」
「そろそろ柑奈にも飽きてきたんじゃね?ククッ」
「あ、⋯、!?」
「⋯本当に凹むなよ、な?」
グサグサと言葉のナイフが刺さってショックのあまり口をあんぐりと開けたあたしに陸斗は呆れたような、焦ったような顔をした。
どうやら、冗談というより揶揄ったらしい。
「今は本当に凹んでるから⋯陸斗の悪ノリに付き合えないから」
「悪かったよ」
「もうちょっと状況考えたら?」
「趣里も、マジで怒んなって」
趣里から冷えきった視線を頂いた陸斗は本当に反省したのシュンと小さくなっていた。



