昼間のアパート下は人通りも少なく、静かで。
呟くように発した小さな言葉でさえも邪魔する音が無いためハッキリと相手に伝わってしまう。
「⋯は、」
決して威圧的ではない、どちらかといえば困惑したような吐息が多く混ざった薫くんの声も、しっかりとあたしの耳に届いた。
大嫌いと言ったあたしと、言われた薫くん。
もしかしたら逆はあるかな、なんて自虐的に思ったりしたけれどまさか、あたしがその言葉を言う日がくるなんて。間違っても無いと思っていた。
言葉にした瞬間、後悔した。
後悔することなんてわかっていたのに、言葉にしてしまった。
「~っ、」
ここであたしが泣くのはずるい。
それもわかっているのに、またぶわっと目から溢れ出した涙が頬を濡らした。



