ハニーシガレット 【完】






そして趣里の机へとやってきた私は「趣里!髪の毛やって⋯!」と両手を合わせるお願いポーズをとった。



実はこう見えて⋯あたしはとても不器用で、髪の毛をお洒落にまとめるなんて至難の業。

だからお洒落をしたい時はこうやって趣里な頼むことが多い。

趣里は見た目通り繊細な作業が得意な器用さんで、お洒落に鋭いから本当に助かっている。



その癖自分のお洒落には興味がないんだから不思議。
まぁ趣里は元がいいから変にお洒落やメイクをしなくてもとても綺麗なんなけどね。



薫くんもだけど、やっぱり元が美しいと自分の美に対して疎くなるのか?なんて思ったり。



だって薫くんはピアスもしてないし、髪の毛だって生まれてこのかた一度も染めたことがないって言っていたし⋯。

そのありのままが薫くんのかっこよさを際立たせているんだから凄いと思う。



と、あたしがそんな事を考えているとあたしのポーチから小さな櫛とゴムを取り出した趣里が自分とあたしの位置を交換するようにしてあたしを椅子に座らせた。