「なんでわかんないのっ⋯?」 初音さんが自分を好きだって。 電話だってわざと出たんだって。 聞かせてやりたい。薫くんの前で出す声とあたしに向ける声の違いを。 「柑奈、とりあえず家入れ」 ポタリと、涙を零したあたしの方へ薫くんが手を伸びくる。 さっきまで初音さんと一緒にいた薫くんがあたしに触れようとしている。 それが何だか物凄く気持ち悪くて。 ─────パシンと、振り払った。