ハニーシガレット 【完】







ごめんって、何。


「なんでそうやって、初音さんを庇うの?」

「庇う?」

「初音さんの代わりに謝って、守って、薫くん何なの!?」


叫んだあたしに薫くんが僅かに表情を顰める。


「初音を庇ってるとかじゃないよ」

「でも、あたしには庇ってる様に聞こえるの!」

「どこをどうしたら俺が初音を庇ってる様に聞こえるんだよ」

「ぜんぶ!全部だよっ」

「はぁ、?」


本当は、薫くんが初音さんを庇ってるなんて思ってない。本心ではちゃんとわかっているのに、庇っているんじゃないかって疑う心も消えてくれない。

イラついたように目を細めた薫くんに、嫌われるんじゃないかって怖くなる。


初音さんは薫くんと同じ大学で同じバイト先で、友達で。

友達を悪く言われたら嫌な気持ちになるのは当然なのに、なんで怒るのって、苦しくなる。



「⋯っなんで、そんな顔するのっ?」



薫くんの言動一つ一つが怖い。

嫌な気持ちにさせてる、呆れられちゃう、嫌われちゃうって、怖くなる。