ハニーシガレット 【完】





薫くんにそんな気はないのかもしれない。

だけど、「柑奈」と名前を呼ぶ声が、今のあたしには責められているようにしか聞こえなかった。


そんなこと言うなんて。

どうして。

最低だな。


そんな事言われていないのに、不安で押し潰されてしまいそうなあたしの脳が勝手に変換してしまう。



「柑奈」


いつもなら名前を呼ばれるだけでとても嬉しいのに。
何度だって呼んでほしいのに。

今は、呼ばれたくない。


どうせ、怒るんでしょ、呆れるんでしょ。

幻滅するんでしょ、って。



どんどんどん、嫌な方へと思考が引き摺られていく。