「⋯あたし、あたし⋯、」
言おうか、やめようか。
やめようか、言ってしまおうか。
心の中で黒い感情がドロドロと渦巻いて、喉を這い上がるように押し寄せてくる。
今、あたしが感情のままに言葉を吐いてしまえば、絶対に後悔する。
「~~っ、」
感情と一緒にぐわっと涙も溢れてきて、それをぐっと堪えて薫くんの顔を見上げれば、綺麗な琥珀色の瞳の中に顔を真っ赤にして怒っているあたしがいた。
そのくせ自信無さそうに眉がはの字を描いていて。
今、こんなあたしが薫くんの目の前に立っているんだと思ったら物凄く恥かしくなった。
すごく、子どもっぽいなって、思った。



