「なんで⋯、なんで初音さんが薫くんのスマホに出るの!?」
「それは俺が寝てたから、」
「寝てたから、何?あたしは、勝手に人の電話に出たりしない。それも⋯、相手が彼女だってわかってたなら尚更!」
「⋯、」
薫くんの言い訳が初音さんを庇っているように聞こえてしまってイライラが募る。
「そもそも、初音さんが泊まるなんて聞いてない」
「⋯柑奈、」
「大学の勉強だってわかってるし、仕方ないってわかってるけど⋯、でもっ⋯」
「⋯」
「嫌なものは嫌なのっ⋯」
心のままに言葉を吐き出すことはとても恐ろしい。
一度言葉として口にしてしまったら、もう二度と後戻りは出来ないから。
痛くて苦しい心のままに言葉にしてしまったら、痛さの方が先にきて本心ではない事を口走ってしまうから。
だけど、一度薫くんに対してイライラをぶつけてしまったあたしの口は止まってくれなくて。



