「柑奈、悪い俺⋯、」
走ってあたしの前まで来た薫くんの髪の毛は少し乱れていた。
髪の毛をセットする時間すら惜しんで初音さんたちを帰らせてあたしの所に来てくれようとしたのかな、と嬉しくなってしまうあたしはやっぱり、どこまでも、呆れちゃうくらい、チョロい。
だけど、今回ばかりはちょっと、怒り心頭なんだ。あたし。
今回ばかりは、物凄く、傷ついたんだ。
「薫くん、寝坊しちゃったの?」
口から出た声は、自分が思っているより低くて、自分でもちょっとビックリした。
「悪い、徹夜で課題仕上げてたらいつの間にか、」
「うん。わかってる。それはいいんだ⋯うん、いいの」
元々、その予定が先だったわけだし。
忙しい中で、時間作ってくれたわけだし。
デートだって、最悪ナシになってしまっても、仕方ないって、思ってた。



