部屋から出てきた四人は何かを話していて。
「お前ら早く帰れよ」と怒る薫くんの声と
「この後用事でもあんのかよー?」という、眠そうな男の人の声が聞こえた。
アパートの階段を降りてくる足音に、咄嗟に近くの電柱に隠れる。
なんだか、家まで来てしまったことをバレたくなかったから。
「んじゃあ、サンキューな薫!」
「課題も無事終わったし後で飲みにでも行こうぜー」
階段を下り終えた男の人たちが薫くんにそう言いながら手を上げて遠ざかっていく。
そして、初音さんも。
「本当に薫がいてくれて助かったよ、ありがとう!お疲れ様ってことで本当に飲みに行こうね」
薫くんにそう告げて、小さく手を振った。
その仕草すら、癇に障って仕様がない。



