「な、なにっ⋯?まだ付き合ってたんだって!」
「え?もう別れてんのかと」
「ど⋯、どうして⋯?」
陸斗の言葉が衝撃的で軽くどもってしまう。
そんなあたしに陸斗は呑気に首の後ろを掻いた。
「だって薫先輩っつったら学校の王子様⋯王様的存在だったじゃん。だから今も柑奈と付き合ってるのが意外っつーか、」
「⋯もう付き合って一年経ちましたけど」
「な、だから今ちょっとビックリして。まぁ、いいじゃん。仲睦まじくてなにより、なにより」
パンパンと軽く手を叩いて話題を終わらせようとする陸斗だけど、あたしの心臓はちょっと速くなった。
だって、比較的仲のいい陸斗に別れたと思われてたんだよ?
そりゃぁ薫くんの話を陸斗にしたのなんていつぶりってくらい久しぶりだったけど⋯。
ちょっと、焦るじゃん。
「ねぇねぇ趣里は、あたしと薫くんってラブラブに見える?」
机を挟んで向かい側で手作り弁当を食べている趣里にそう聞けば趣里は一度箸で持っていた玉子焼きをお弁当箱に戻し、あたしをジッと見た。
「私はよく柑奈の薫先輩の話を聞くから完全に客観的かどうかはわからないけど⋯」
「けど⋯?」
「柑奈と薫先輩は良い二人だと思うよ」
「⋯っ」
そう言ってさっき戻した玉子焼きを今度こそ口に入れた趣里。
「そうだよねっ⋯、」
趣里の言葉に大きく頷いて未だに横に立っている陸斗にべっ、と舌を出してやった。



