ハニーシガレット 【完】





駅から薫くんのアパートまでは約15分。

その距離をほとんど休憩無しに走ったあたしの体力は限界で、アパートの下に着く頃には膝に手をついてハアハアと息を乱していた。



「⋯っはぁ、」


まだ、初音さんたちは薫くんの部屋にいるんだろうか。
薫くんは起きたんだろうか。


乗り込む勇気なんてない。

けれど家に帰る選択肢もなかったあたしはアパートの下で、薫くんの部屋を見つめるしか出来なくて。


これじゃあ、ストーカーみたい。と自嘲しながらしわくちゃになる事など気にせずにワンピースの裾を握りしめる。