じわりと滲む視界に、唇を噛む。 我慢、しなくちゃいけない⋯? わざわざ忙しいのに時間を作ってくれようとした薫くんを責めちゃダメ? わざわざ、親切に電話に出てくれた初音さんを責めたらいけない⋯? あたしが、いい彼女だったら。優しい彼女だったら。大人しく出来たのかもしれない。 だけど今の電話を聞いてこのまま家に後戻りすることも出来ないあたしは、再び薫くんの家の方へと駆け出した。 悔しくて、悲しくて、 時折、目から溢れた涙で視界がぼやけた。