『結構朝方まで皆で課題仕上げてたからさ、悪いけどもう少しだけ寝かせてあげてくれないかな?』
「⋯、」
『薫って頭良いから、結構頼っちゃった部分もあるし疲れてると思うんだ。柑奈ちゃんから連絡があったことはちゃんと伝えておくから』
この人は何を言っているんだろう。
人の彼氏の電話に勝手に出て、何ふざけたこと抜かしてるんだろう。
今日、あたしと薫くんがデートの約束をしていた事も知っていたみたいに、わざと意地悪を言っているようにしか聞こえない。
それとも、あたしの心が弱いの?
『ごめんね。じゃあ、切るね』
責めることすら出来なかったあたしに、心のこもっていない謝罪をした初音さんは、返事すら聞かずにブチっと通話を終了させた。
ツーッ、ツーッ、という冷たい機械音が物凄く、惨めだった。



