「どうして、初音さんが薫くんの電話に出るんですかっ⋯」 余裕のないあたしと、余裕たっぷりの初音さん。 ドクン、ドクンと心臓の音がうるさくなっていく。 『どうしてって、今一緒にいるからかな』 「⋯っ」 「何度も着信来てて、でも今、薫寝ちゃってるから」 「っは⋯、」 『起こそうとしたんだけど、なかなか起きてくれなくて。何度も何度も掛かってくるから仕方なく私が出たんだ』 「⋯っ」 『デートの約束でもしてた?』 初音さんは、何もかもわかっているみたいな口振りで、それがとても怖かった。