まだかな、まだかな。と大好きな彼が現れるのを待つこの時間も嫌いではない。
まだ約束の時間には早くて。
それなのに意味もなく周りを見渡したりなんかしてみる。
ピュウ、と風が吹く度に手鏡で前髪が変になっていないかを確認する。
変じゃないことを確かめては、よしっ、可愛い。と自分を鼓舞して。
ソワソワ、ドキドキするこの時間はやっぱり、嫌いじゃない。
だけど、一分一秒でも早く会いたくて、駅に向かってくる人影に、薫くんを探す。
彼氏というヒィルターなしに見ても格好いい薫くんは、どこにいても目立つ。
だから、いつも薫くんが来るとすぐに見つけられるのに今日はなかなか彼の姿を見つけることが出来なかった。
それどころか、約束の時間を5分過ぎても、薫くんは来ない。



