「も、もしもしっ!!」
『⋯⋯』
「か、薫くん?もしもーし⋯!」
電話に出たはいいものの、何も聞こえなくて焦っていればふあ、と薫くんの欠伸した声が聞こえてきて寝起きなのかな?と想像した。
「薫くんもしかして今起きた?」
『今日授業2限からだから』
「あっ、そっかそっか。おはよう」
『おはよ。つーか柑奈は朝からうるさいね』
「えっ、うるさい?」
『うん』
低血圧で寝起きの悪い薫くんに、これはまたウザがられるかな?と不安になる。
「ごめんね薫くん、静かにする」
『熱は?もう大丈夫なの?』
だけどあたしが心配しているよりも薫くんは寛大だったようで、体調を気遣ってくれるなんて。ウズウズと胸が騒いでキュンとした。
「うん!もうバッチリだよ。昨日は本当にありがとう、嬉しかったです」
『そこは助かったです、じゃないんだ』
「あ⋯、」
思わず本音全開で喋ってしまい、かあ、と頬が熱を持っていく。
どれだけ薫くんラブなんだ、あたし。
でも電話の向こうでクスクス笑う薫くんにもっと大好きだよって言いたくなってしまうのはもう、あたしの性なのだろう。
寝起きでいつもより少し低く掠れた声さえもカッコイイなんて、本当にずるい。



