「何なんだよそのドヤ顔」

「だって陸斗はあたしが薫くんと付き合ってないって信じてないみたいだから」

「べつに信じてねぇわけじゃねぇよ⋯ただ⋯、」

「ん?なに?」

「ただ、釣り合わねぇって思ってるだけで」

「⋯っ」



やっぱり、傍から見てあたし達はお似合いではないらしい。

あたしが、薫くんに釣り合わないらしい。


きっと、昨日の事がなければ今頃あたしは落ち込んで落ち込んで、そりゃあもう、物凄く落ち込んでいただろう。

でも、昨日薫くんが気持ちをほんのちょっとだけ晒してくれたから。

もう他の人言葉には惑わされないって決めたんだ。



「やっぱ柑奈って遊ばれてんじゃねぇの?」



へらっと冗談めかして言った言葉にだって、傷つかないわけじゃないけど、薫くんを信じようって思ったんだ。




「あたしも釣り合ってないなぁって思う!薫くんて凄い格好いいし、何でも出来ちゃうし⋯でも、薫くんのこと信じてるからいいんだ」

「⋯、」

「もう、陸斗が薫くんの話するから会いたくなっちゃったじゃん⋯!電話してこようなっ」





ほんとのほんとは、凄く心が痛いけどそれを吹き飛ばせるくらいにはなりたいの。