「なっ!」
予想通りの言葉だったけれど、自分でちゃんとやらなかったのが悪いのにそんなヘラヘラした顔で頼む陸斗に思わず大きな声を出せばジロリと担任に睨まれて慌てて縮こまる。
「なぁ、見してよ」
そんな私に尚もヘラッとしている陸斗。
「嫌だよ、そういうのは自分でやるものだよ」
「頼むよ柑奈」
「ダメだよ。それに陸斗はいっつもそう」
三年間クラスが同じ陸斗とは一年生の頃から仲が良く、飾らないその性格といつでも明るい彼はとても魅力的な友達だけれど、陸斗は何かとあたしを都合よく使っているところがある。
こうやって課題を見せてくれ、夏休みの宿題を見せてくれ、掃除当番変わってくれ。
今まで何度もそういう事を言われてきた。
まあ、掃除当番に関しては後でちゃんとあたしの時に変わってくれるから別にいいんだけど、課題に関しては交換条件もない、ただあたしが見せるだけだしちょっと、というかかなり不満がある。



