ハニーシガレット 【完】




それから担任がやって来て出席を取り始める。



と、ツンツンと腕を突っつかれて横を見ればクラスメイトの田島 陸斗<たじま りくと>が変な笑みを浮かべてこっちを見ていた。




「なに?」

「柑奈さぁ、今日提出の課題やってある?」



今日提出の課題、とは一週間前に配られた数学のプリントの事だろう。

それならもうとっくに終わらせてある。


というより、そういう学校の提出物や課題、テスト勉強とかをちゃんとやらないと薫くんに怒られてしまうから。

赤点なんて取った日には一ヶ月間会ってくれなかった事もある鬼ぶりだ。



だからいくらこの高校がエスカレーター式でそこから内部進学が出来ると言ってもそういう事はちゃんとやっている。
というか内部進学だからこそ、しっかりやっているつもりだ。



「そんなのもうとっくに終わったよ?」

「だよなあ、柑奈ならやってると思ってたわ」

「⋯嫌な予感」


あたしがそう言うと陸斗はヘラッと表情を崩し、「プリント、見して」と言った。