「あたしが彼女でいいの⋯?」
「いーよ」
「ちゃんと、あたしのこと好き⋯?」
「⋯、」
「嫌なところもあるけど、好き?」
「⋯ん」
「言葉で言って欲しい」
きゅ、と薫くんの手を自分の方に引き寄せる。
大きいのに細くて、白くて、冷たい手⋯。
だけど、不思議とあたしには温かく感じるの。
この手があれば、どんな所にだっていける。
嵐の海でも、吹雪の山でも、終わりの見えない砂漠でも、大袈裟なんかじゃなく、大丈夫だって思えるの。
薫くんさえいれば、それでいい。
なんて、さすがにだらしないかもしれないけれど。⋯それくらい、好きなの。
大好きなんだ。



