「な、なんでよぅ⋯!」
「風邪引いてんじゃん、柑奈」
「⋯あ、」
「移したいの?俺に」
そう言われてしまえば、何も言えない。
本音をいえばあたしの風邪菌を薫くんに移したいな~なんて考えているけれど。
もちろん風邪を引いて欲しいんじゃなくて、そのくらい、同じ存在になりたいってだけ。
だけどさすがに故意的に風邪を移すなんて出来るはずもなくて。
「じゃ、じゃあ、手を繋いでてほしい⋯」
「⋯なんで?」
「そりゃあ、薫くんの体温を感じていたいからだよ」
「うわぁ」
「何その変態を見るような目は」
確かに今の発言は変態っぽかったけどさ、可愛い彼女のお願いじゃん。そんな引かなくてもいいじゃんか。
⋯⋯あれ、あたし彼女だよね?
可愛くはないかもしれないけれど。



