ここは大人しくしようと口を噤んだ。
最近、薫くんの一挙手一投足、些細な言葉に凄く敏感になっている気がする。
嬉しいことも、悲しいことも、
前よりずっと感じやすくなっている気がする。
本当は、今だって「俺もだよ」って言って欲しかったんだ。
薫くんがそんな甘ったるい人じゃないことはわかってるけど、言って欲しかったの。
「薫くん」
「なにその間抜け面」
目を閉じてさり気なく唇を尖らせる。
嗚呼、あたしってこんな積極的な人だったっけ?過去に付き合った人なんて薫くん以外いないからそれすらわからない。
でもね、薫くんの前では素直でいたい。
時折甘えて、とびきり可愛くいたい。
「ちょっと⋯キスしたいな」
照れくさい言葉だって、薫くんの為ならポロポロ溢れるんだよ。



