ハニーシガレット 【完】






「で。どうなの?」



突っ伏したあたしの頭上に不機嫌な声が落ちてくる。

それに上体を起こし、薫くんの目を見ながらゆっくりと首を横に振った。




「陸斗とは何もないよ」

「何もないのに家入れんの?」

「それはお見舞いに来てくれたから⋯趣里もいたし⋯」

「⋯ふぅん。じゃ、ただの、トモダチ、なんだ」

「あったりまえだよ!あたしには薫くんだけだからね、」

「あっそ」



あぁぁぁ、もう、ヤキモチ妬いた薫くんが可愛くてしょうがない。

初めて見るいじけた様な姿に悶絶していると「ムカつく」と何故かあたしがイラつかれた。


まあ、これも照れ隠しだと思うことにしよう。




「薫くん」

「なに」

「好きだよ」

「⋯」

「あたしは薫くんが一番好き」




別にね、陸斗の事を薫くんがそこまで気にしてるかといえば、きっとそこまで気にはしてないんだと思う。
ちょっとん?と思ったくらいで、本気で嫉妬してるわけでもないんだと思う。



でも、これは伝えたかったから。


あたしは薫くんだけが好きだよって、言いたかったんだ。