って、そうじゃなくて!
「しゅ、趣里ぃ⋯」
コソッと趣里の名前を呼べば涼し気な目がこっちを向く。
「いいじゃない、別に」
「え?」
「楽しくなりそう」
趣里の訳のわからない言葉に思考を巡らせているれば、「じゃあ、お大事に」と言って陸斗を引っ張っていく趣里は、「お邪魔しました」と言って玄関を潜っていった。
「ちょ、引っ張んなよ!っ柑奈!明日は来いよ!」
そして細い見た目とは裏腹に力のある趣里に引き摺られるようにして陸斗も帰っていった。
はぁ、なんだか、どっと疲れた気がするのは、隣から薫くんの不機嫌なオーラを感じるからだろうか。



