「誰か来てんの?」
僅かに薫くんの声が引くなったような⋯ってあたしの気の所為かもしれないけど。
「学校の友達がね、心配してくれてって⋯」
「来てくれたんだよ」という前に、リビングのドアから出てきた趣里と陸斗。
「こんにちは、薫先輩。⋯柑奈、私たちそろそろ帰るね」
薫くんを見て会釈をした趣里は「もうこれで安心でしょ」と言って靴を履き出した。
その後ろで「初めまして、柑奈と同じクラスの田島陸斗です」と陸斗が緊張しながら話す。
そういえば陸斗は一方的に薫くんを知っていても二人は初対面だったっけ、と思い返す。
あたしと薫くんが付き合ったのは薫くんの卒業式の日だし、薫くんにとっならほぼ初めましてか。
「薫くん、こちら趣里。って言ってもよく話すから気付いてくれてると思うけどあたしの大親友だよ」
「⋯よろしく」
「こちらこそ」
二人とも馴れ合うような性格ではないから言葉は少なかったけれどまぁ、二人をよく知っているあたしからすると感触は悪くない。



